研究分担者 |
本庄 利守 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 主任研究員 (70393791)
清水 薫 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 主幹研究員 (50426607)
納富 雅也 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 主幹研究員 (50393799)
倉持 栄一 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 主任研究員 (10393802)
松田 信幸 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 研究員 (10587695)
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研究概要 |
本研究の目的は,シリコン細線導波路,シリコンフォトニック結晶導波路などを含むシリコンフォトニクス技術を用いて,光子を用いた量子計算などの量子情報処理の発展に不可欠な「集積化量子回路」を実現することにある. 「シリコン細線導波路を用いたワンチップ偏波もつれ光源の開発」に向け,光子対高効率生成のためのシリコンリング共振器の最適化設計を行った.特に,リング共振器内の光増幅率であるField enhancementの向上を目指し,デバイス損失およびリング半径,導波路分散を考慮したリング-導波路結合の最適条件を理論的に見出した.またこの設計に基づくシリコン微小リング共振器の作製を研究協力者らのグループにて行った. 「シリコンフォトニック結晶素子中の増強された非線形光学効果の観測と高効率量子もつれ光子対生成」に向け,フォトニック結晶チームによりこれまで作製された素子を用い,線形・非線形光伝搬の基礎特性の評価を行った.特に,スローライトデバイスとして知られるシリコンフォトニック結晶結合共振器光導波路を用い,量子もつれ光子対発生に必要とされる自発四光波混合の古典版である四光波混合による波長変換実験を行った.その結果,これまで報告されているシリコン非線形導波路の中で最も大きな導波路光学非線形性を観測した.これは,スローライトによる光-物質相互作用の増強に加え,導波路を構成する光共振器における強い光閉じ込め効果によるものと考えられる.
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