研究課題/領域番号 |
22360034
|
研究機関 | 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所 |
研究代表者 |
武居 弘樹 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 主幹研究員 (60393790)
|
研究分担者 |
倉持 栄一 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 主任研究員 (10393802)
松田 信幸 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 研究員 (10587695)
納富 雅也 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 主幹研究員 (50393799)
清水 薫 日本電信電話株式会社NTT物性科学基礎研究所, 量子光物性研究部, 主幹研究員 (50426607)
|
研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
|
キーワード | シリコンフォトニクス / 量子光学 / 非線形光学 / シリコン細線導波路 / フォトニック結晶 / 量子もつれ / 単一光子バッファ / 集積化量子光回路 |
研究概要 |
本研究は、シリコンフォトニクス技術を用いて、光子を用いた大規模な量子情報処理を行うために必要な「集積化量子光回路」を実現することを目的とする。 本年度は、シリコンフォトニック結晶に基づく結合共振器光導波路(coupled resonator optical waveguide: CROW)を用いた非古典的相関光子対発生とその評価に成功した。CROW中のスローライト効果によって3次の非線形光学効果が増強された結果、非線形定数9000/W/mでの高効率光子対発生を観測した。Zou-Wang-Mandelの不等式に基づき相関度を評価し、標準偏差の20倍の大きさで同不等式を破ることを確認した。本成果は、シリコンチップ上で極めて小さくかつ高効率な量子もつれ光源を実現可能であることを示唆するものである。 また、CROWを用いた単一光子バッファ実験にも成功した。時間幅約20 psの時間相関光子対パルスの一方をCROW中で遅延させる実験を行い、時間相関を保ったまま最大150 ps遅延を与えることに成功した。また、導波路の温度チューニングにより、CROWの群速度分散特性を変化し、その結果50 psの遅延量チューニングが可能であることを示した。さらに、量子もつれ光子対の一方をCROWによりバッファした後にも量子もつれ状態が保持されていることを確認した。これは、シリコンチップ上でコンパクトかつ可変の量子バッファの実現を可能とする技術であり、将来の再構成可能な集積化量子光回路の実現に向けた重要な技術である。
|
現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|
今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
|