研究課題
本研究は金属粉や炭素と金属の複合材料粉に圧縮力とせん断力を同時に作用し、薄片(膜)状に固化する現象に関する研究である。本研究では圧縮力とせん断力による複合プロセスに着目して微粒子が固化する現象を解明し、さらに接触面に固体潤滑膜を形成する低摩擦材料および粉末を常温大気雰囲気で固化する新しい材料プロセスを利用した高機能複合材料開発を目指している。平成24年度の研究実績は以下の通りである。1) 移着層及び摩耗痕の微細構造分析及び形成プロセスの解明H23年度に引き続き、炭素-金属複合膜と金属の摺動摩擦境界面に形成される金属膜を主成分とした移着層(膜)のナノ組織分析を行った。走査電子顕微鏡、エネルギー分散型X線分析、原子間力顕微鏡、透過電子顕微鏡等の微細評価手法と高分解能微小領域X線回折による結晶構造解析などのマクロ的な結晶組織分析手法を用いて、形成される移着層の材料組織を明らかにした。ダイヤモンドライクカーボン(DLC)に金属を分散させた Me-DLC によるピンオンディスク試験を実施し、移着層形成による低摩擦発現プロセスについて定量的な研究を進めた。2) 圧縮せん断法により作成された薄板の機械的強度および微細構造分析1)の摩擦試験によって示された移着膜との類似性を考慮し、圧縮せん断法による固化成形膜を作成し、機械的特性ならびに微細構造分析を行った。Me-DLCの摺動では金属以外にも炭素や炭化物、金属酸化物が摩耗粉として固化されるため、金属混合粉や酸化粉の複合粉末の固化成形プロセスを定量的に評価した。以上の結果から、圧縮せん断法による成型物と摩擦摺動面に形成される移着層の形成プロセス・微細構造解析と機械的特性評価をから双方の類似性を明らかにし、動的過程による結晶粒微細化及び固化プロセスと材料創成の可能性を示すことが出来た。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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塑性と加工
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