研究概要 |
導入した薄状軟組織の計測システムを用いて,多様な試料の計測に取り組み始めた.まず模擬材料としてはシリコーンチューブで多様な計測を実施し,基本となるデータを収集した.さらに生体試料として,培養したコラーゲン組織(ヒト皮膚に相当)を計測・評価し,導入開発した計測システムの有効性を確認いた.さらに培養した脳神経細胞の計測・評価により,計測テクノロジーの汎用性を確認した.シミュレーションに関しては,固体一液体連成解析理論を再精査し,実施の準備に努めた. さらに取組みとして,動的な押込み挙動との関連を論じ始めた.この課題の開始以前より多孔質材の動的変形を研究していたが,メゾスケールにおけるセル構造に高い相似性がある事と,この挙動解明に高い産業的な価値が出てきた事から,その解決に向けて体系的な取り組みを始めた.具体的には,薄状組織を動的に圧縮した際の応答から,高速変形課程の挙動を明確に求めるものである.他にも予定外の考案として2件の産業財産権の出願を実施する事などによって,この研究課題の波及効果の大きさを成果としてまとめ上げている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた装置の開発が全て終了し,いま種々の条件の下で計測・評価を実施している-この状況から,実験計測に関しては,当初の計画以上に進展している.一方のシミュレーションに関しては,取組を始めたもののやや遅れている.新たな予定外の進展として,この研究成果により2件の産業財産権の出願を出来たことが大きい.
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