研究課題
1)高耐熱パワーモジュール構造の開発をした。新コンセプトである基板回路に高い熱歪吸収機能をもたせることで接合材から熱歪吸収機能を外して300℃を超える耐熱性を持たせる構造としている。熱歪吸収機能を持たせる基板回路の材料には、他の要素の応力を低く保つために強度が低いことが求められ、熱歪吸収と耐久性の両立のために大きな延性が求められる。高純度のAlがこれの有力候補として用いられた。接合材には、機械、電気、伝熱、耐熱性に併せて、接合時の耐熱性と熱応力を低く抑えるため接合温度が低いこと理想である。これの候補として、金属ナノ粒子材料を用いた。このように、新コンセプトに係わる、新開発や新規の用途となる材料の開発とその特性を明確にして、必要な信頼性を確保できるモジュール構造を開発した。(2)300℃高耐熱接合技術の開発をした。パワーモジュールの基板とパワー半導体チップとの完全鉛フリー接合を実現するナノサイズ金属粒子ペーストおよび接合技術を開発した。今回開発に取り組むナノサイズ金属粒子ペーストは素材的には300℃以上の耐熱性を実現できるポテンシャルを持っている。(3)高温温度サイクル試験装置の開発をした。次世代耐高温パワーモジュールの信頼性評価を行うために、まず必要とされているのが-50℃~350℃の温度範囲を有する繰り返し耐久試験装置である。研究で開発した小型省エネ高速熱衝撃試験機は、高温と低温基礎台に検査対象を移動し接触させ、熱伝導によって検査対象部品の温度をコントロールし、机上で試験する機能を、従来に比して簡単・低価格・超省エネ・高速に実現できる革新的技術である。
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Journal of Solid Mechanics and MaterialsEngineering
巻: Vol.4 ページ: 24-28
Journal of Electronic Packaging(ASME JEP), 132, Iss.3 Selected Paper(ThETA2)
巻: v6.132, N.3 ページ: 1-6