研究課題/領域番号 |
22360056
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
J-J Delaunay 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (80376516)
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研究分担者 |
小出 康夫 独立行政法人物質・材料研究機構, センサ材料センター/ナノテクノロジー融合支援センター, グループリーダー統括マネージャー (70195650)
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キーワード | ナノ・マイクロ加工 / 自己組織化 / 半導体ナノワイヤー |
研究概要 |
本研究の目的は、自己組織化ナノワイヤー架橋構造生成手法を用いた太陽光ブラインド型の深紫外線センサーを開発することである。深紫外線は、火災検知や水・空気の浄化等のインフラ設備に利用されている。従来の光電子増倍管式深紫外線センサーは、高コスト・駆動電圧が高い・消費電力が多い等の問題点がある。ての問題点に対して本研究は、自己組織化ナノワイヤー架橋構造を深紫外線センサーとして提案し、低コスト化、低駆動電圧化、低消費電力化を実現する。 化学気相成長法を用いて、単結晶性のβ-Ga_2O_3ナノワイヤーを生成するため、炉内圧力・炉内温度・材料ガスの分圧について最適化を行った。生成したナノワイヤーの結晶性の分析には、光ルミネセンスおよび光電流応答スペクトルを用いた。 光特性については、β-Ga_2O_3ナノワイヤーの光波長応答性の結果から、深紫外線に選択的に応答することが分かった。また、光ルミネセンス(常温)の結果から、バンドギャップによる深紫外線のピークが得られた。同様に、結晶欠陥によるピークも観測された。光電流応答については、β-Ga_2O_3ナノワイヤーを用いた試作深紫外線センサーは暗電流が低く、深紫外線の照射に対して高速に応答することが分かった。また、電流・電圧カーブ特性から理想的なオーミック接触であることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
β-Ga_2O_3を用いたナノワイヤー架橋構造センサーを試作した。作成したβ-Ga_2O_3ナノワイヤーが容易な励起子発光特性を示した。作成したセンサーが良好なスペクトル選択性(280nm以上の光には反応を示さない)を有することを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
試作した深紫外線センサーの応答特性は実験室環境で評価されたが、室外環境下の利用も必要である。センサー応答に影響する室外環境パラメター(湿度)を調べる必要がある。
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