研究概要 |
平成22年度に理論検討および試作を行った透過型デポラリゼイション顕微鏡を実証するために制御ソフト開発および基礎実験を進めた.また,昨年度検討したストークス・パラメータを高速で得るために2重回転偏光計の高精度化のため,位相キャリブレーション法を確立した.これによって,サンプルのすべての偏光状態,任意の偏光状態,すなわち,直線偏光,円偏光、楕円偏光および偏光解消を4つのスカラー量であるストークス・パラメータとして解析する基本技術を確立することができた. さらに,昨年度までの光プローブによる結果を踏まえて,近接場プローブを用いたデポラリゼイション顕微鏡を構築を検討した.近接場プローブ検出される光強度は,とても微弱になるので今回の設備でフォトンカウンティング検出器を導入し,これによる高ダイナミックレンジ化をはかる.いままでの検討結果から,光強度の検出感度が11桁という超高ダイナミックレンジが期待できる.ここでまず,検出光の偏光状態を計測できるフォトンカウンティングによる近接場ストークス偏光計を開発し,さらに,フォトンティング近接場ミュラー行列偏光計の基礎技術を確立することが出来た. 上記の透過型デポラリゼイション顕微鏡と平行して,厳密結合波解析(RCWA)と時間領域差分法(FTDT)によって数値解析から得られたストークスパラメータからナノ構造の決定法を検討した.さらに、三次元形状が層状になった状態での解析アルゴリズムもソフトウエア化している 以上のシステム化における細かい装置は自製することによって装置化.ハードウエアの完成後ソフトウエアを構築し,今年度の目標である各アプローチによる高感度近接場ミュラー行列偏光計の基礎技術を構築することができた.
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