本研究では球面超音波モータとコイル型の超音波モータを開発し、内視鏡を試作した。これは脳内の腫瘍の観察のための内視鏡である。内視鏡先端にφ8の球ロータ、手元にφ15の操作用の球ロータを持つ。両者はワイヤーで接続されている。先端球には撮像素子とLEDを持つ。手元の球ロータは術者の操作で駆動できる。連動して先端の球ロータも回転する。術者のマニュアル操作の他、球面モータとして自動的に駆動もできる。 内視鏡先端の球内撮像素子からの画像情報をもとに位置制御を行った。登録画像と照合することで画像の検出ができた。画像の注視点にマーキングすることで、内視鏡を操作中でも常に視野の中心にマーキング点をロックすることができた。 球面超音波モータと回転直動圧電モータを用いて力覚フィードバックハプティックデバイスを試作評価した。φ45の球ロータに30mmの回転直動ができるモータを配し、この先端をもち操作をする。力覚特性は、最大値670mN、誤差19.5%(140mN以上で670mN)、応答性30msであった。寿命は3000時間であるが、精度を確保するためには2,3時間毎にメンテ作業が必要であった。
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