研究課題
22年度に製作した高速顕微鏡カメラを装備したその場観察の試験機を用いて、作動中の磁気ヘッドスライダ空気軸受表面を直接観察する実験を行い、また、増設したクリーンブースのクリーンな環境でハードディスクの摩擦試験を行った。その結果次のことが分かった。(1)吸着は磁気ヘッド軸受表面だけではなく、後方のスライダリセッション部にも起こっている。(2)吸着が蓄積し、磁気ヘッド軸受表面に到達する前は、空気軸受が正常に機能するが、吸着物が空気軸受け表面に達した途端、ヘッドとディスクが直接接触し、空気軸受が破損する。吸着がリセッション部で起こることは、磁気ヘッドとディスクとの直接接触が磁気ヘッド汚染の唯一の原因ではないことを示唆した。汚染に無関係と思われたリセッション部が実に汚染に深く関わっていることとなれば、今までの空気軸受設計方針が大きく変える必要があることになる。また、ポンピング理論を用いて、汚染に強い軸受の設計を試みた。軸受表面後部のチャンファリングが汚染物の蓄積に大きく影響することが初めて分かった。汚染物が蓄積し難いチャンファリング構造を幾つか提案した。
2: おおむね順調に進展している
実験的・理論的な研究を行い、磁気ヘッド表面の汚染機構を解明し、概ね予定通り研究が行われた。
さらに追加実験を行い、研究を完結させる。
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International Tribology Conference, Hiroshima 2011
巻: ITC Hiroshima 2011 ページ: B1-04
Proceedings of the STLE/ASME 2011 International Joint Tribology Conference IJTC2011
巻: IJTC2011 ページ: 1-3
http://evalwww.cc.saga-u.ac.jp/search/IST?ISTActId=FINDJPDetail&userId=1530