研究概要 |
本研究では,4名の海外研究協力者:J.Jimenez教授(UPM), A.Pinelli博士(CIEMAT), M.Uhlmann教授(Karlsruhe工科大),L.van Veen博士(Ontario工科大)と学生の協力を得て以下の研究計画を実施した 正方形ダクト流については,既に開発済みのニュートン法によるプログラムを用いて,非線形定常進行波解の解析を進めた.その結果,乱流二次流れと同様の8つの渦を有するパターンをもつ定常進行波解を求めることに成功した.この解の流れ方向平均された速度場は,乱流二次流れの時間及び流れ方向平均された平均二次流れの速度と同程度の強さを持ち,低レイノルズ数域(Re=1400-2500)、での乱流二次流れの性質を定性的にも,定量的にも再現できていることがわかった.また,高レイノルズ数域(Re=3500)で乱流の直接数値シミュレーションを行うことにより,乱流二次流れと関連性が示唆される大規模ストリークのダクト断面内での存在分布を調べ,ストリークがダクトの特定の位置に存在しやすいことを示した 矩形ダクト乱流については,様々なアスペクト比に対して乱流遷移域での乱流の直接数値シミュレーションを行い,臨界レイノルズ数や乱流パフ,乱流斑点といった局在構造がアスペクト比の影響を大きく受けることを明らかにした.レイノルズ数については,正方形ダクトでは比較的高い遷移レイノルズ数となるが,アスペクト比の増加とともにレイノルズ数は減少し,アスペクト比が4程度において二次元チャネル(アスペクト比無限大)の遷移レイノルズ数と同程度となる.一方,乱流構造については,正方形ダクトでは乱流パフが現れるが,アスペクト比が4を超えると乱流斑点が現れ,乱れは流路スパン方向にも局在し始める.以上のシミュレーションに加え,本科研費により,矩形ダクトの実験装置を設計製作し,導入したレーザードップラー流速計による.流速計測及び可視化の実験の準備を進め,予備実験を開始した
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