研究分担者 |
大川 晋平 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教 (20432049)
横井 浩史 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (90271634)
星 詳子 (財)東京都医学総合研究所, ヒト統合脳機能プロジェクト, プロジェクトリーダー (50332383)
谷川 ゆかり (独)産業技術総合研究所, ヒューマンライフテクノロジー研究部門, 主任研究員 (20344202)
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研究概要 |
研究期間内で実施することは,(1)透明体が光マッピング画像に与える影響の解明,(2)逆問題手法を用いた画像の解像度と感度の向上,(3)被験者実験による画像の解像度と感度向上の実証,の3項目であり,平成23年度は以下のような成果を得た. 項目(1)についてはヒトの3次元頭部モデルをエポキシ樹脂により作製し,眼球が光マッピング画像に与える影響を実験的に調べた.その結果,プローブが眼球の直前にある場合には,影響を受けるが,プローブが前額部にある場合にはその影響は小さいことを明らかにした. 項目(2)については,脳内の微小領域での微小な血液状態変化により検出光量がどれだけ変化するかという応答関数を求め,各種の逆問題アルゴリズムを調査して光マッピング画像の画質を向上させる方策を検討した. 項目(3)については,光マッピングのBMI(Brain-Machineh Interface)への適用に向けて,外部機器の開発と調整を行った.BMI対象者として義手利用者を想定し,電動義手関連機器の改良,光マッピング装置と接続・駆動するシステムを構築した.また,被験者実験に向けて,被験者の頭部MRI画像を取得し,遅れ時間の変化に応じた活動部位の変化を観察した.、さらた,言語性コミュニケーションが不可能な重症心身障害児や重度認知症患者などをBMIの対象者とした場合,重要となる不快感情の生成・制御に関与するする脳領域を光マッピングとfMRIで特定した.また,それら脳領域間の機能連関を解析し,扁桃体など不快感情関連領域からの信号は最終的に腹外側前頭野を介して不快感情を引き起こすことを明らかにした.
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今後の研究の推進方策 |
項目(2)の逆問題手法を用いた画像の解像度と感度の向上および項目(3)被験者実験による画像の解像度と感度向上の実証について,今後,重点的に研究を推進する.特に,項目(2)については,これまでの調査・検討を基に,また,代表者らがこれまで行った拡散光トモグラフィーの研究で用いた逆問題アルゴリズムを参考にして,光マシピング画像の画質を向上させる.項目(3)については,できるだけ多くの被験者実験を実施して画質の向上を実証する.項目(1)については,ほぼ目標を達成したと考える.
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