研究概要 |
本研究課題の目的は,ヤモリの指先における微細構造にヒントを得て,操作者が自由自在に対象物(主に誘電体)を凝着(把持)・離脱することを可能にする凝着・離脱デバイスを創製することにある.具体的には,導電性の芯を持つ高分子繊維(静電誘導ファイバー)をヤモリの指先に存在するセタ(seta)と呼ばれる微細毛と同じ形態で植毛し,静電力を効率良く作用させる.最終目的は,デバイス開発に止まらず,「工業部品のグリッパレスのハンドリング技術」に適用可能なように汎用的なデイバス設計指針を確立することにある.24年度は,「静電誘導ファイバーの複数配列時における設計指針に関する検討」を実施した.主に,有限要素法による静電場解析により,電圧印加時における複数ファイバー間の相互作用に関する知見を得て,ファイバーの力学的な振舞いを考察した.これにより,静電誘導ファイバーを集積化して,ヤモリ型静電凝着・離脱デバイスを実現する際に,解決すべき課題を明確に示した.
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