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2010 年度 実績報告書

高精度乳がん治療支援システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 22360108
研究機関早稲田大学

研究代表者

吉村 允孝  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60026325)

研究分担者 藤江 正克  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20339716)
宮下 朋之  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20329080)
小林 洋  早稲田大学, 理工学術院, 次席研究員 (50424817)
キーワード乳がん / ラジオ波焼灼療法 / 熱物性 / 温度分布シミュレーション
研究概要

本研究では,近年社会的問題となっている乳がんの治療精度向上を目指し,術中に温度分布を推定する温度分布シミュレータを規範とした乳がんRFA(ラジオ波焼灼療法)治療支援システムの開発を行うことを目的としている.平成22年度の研究実績は以下の通りである.
(1)臓器の熱物性値の取得とそのモデル化
温度分布シミュレータを構築する上で重要となる乳房の力学的基礎特性に関するデータを取得し,乳房の粘弾性モデルを構築した.
(2)温度分布シミュレータの構築
乳がん用温度分布シミュレータを開発するにあたり,まずは組織が均質で複雑性がない肝臓を対象に,有限要素法を用いて温度分布シミュレータを開発した.シミュレータでは,電磁気学的見地からRFA用の電極針から印加される電圧を基に肝臓全体に形成される発熱量を算出し,算出された発熱量を基に生体熱輸送方程式から温度分布を算出した.
(3)In vitorにおけるシミュレータの精度評価実験
開発したシミュレータの精度評価を行うため,摘出したブタ肝臓に対するRFA焼灼実験を実施し,肝臓の温度についてシミュレーション値と実測値を比較した.シミュレーションでは2次元ブタ肝臓モデルを構築しモデル上辺より中央まで穿刺したRFA針先端20[mm]から30[V]を印加した際の温度分布を算出した.この際,境界条件として,モデル周囲の温度を体温を想定し36℃に設定した.一方,肝臓モデルと同様の寸法を有する実際の摘出ブタ肝臓を用意し,36℃に一定保持した温水を肝臓の周囲に還流させることで温度境界条件を再現した.実験の結果,実測値と解析値は全ての時間領域について高い精度で一致しRFA中のシミュレーションによる温度の予測が可能であることが示唆された.今後は,血流が存在するIn vivoにてシミュレータの精度検証を行い,さらにシミュレータを規範とした電力供給法を開発する.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2010

すべて 学会発表 (7件)

  • [学会発表] 肝臓RFA用温度分布推定シミュレータの開発 ~血流が温度分布に及ぼす影響についての基礎的検討~2010

    • 著者名/発表者名
      渡辺広樹
    • 学会等名
      第11回計測自動制御学会システムインテグレーション部門講演会
    • 発表場所
      宮城県,仙台市
    • 年月日
      2010-12-24
  • [学会発表] 臓器物理モデルを規範とした画像誘導下RFA支援ロボットシステムの開発2010

    • 著者名/発表者名
      渡辺広樹
    • 学会等名
      第5回OpenMRI研究会
    • 発表場所
      福岡県福岡市
    • 年月日
      2010-12-03
  • [学会発表] Organ Biomechanical Simulators for Model based Control of Robotic RFAblation System2010

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Watanabe
    • 学会等名
      IEEE International Symposium on Micro-NanoMechatoronics and Human Science
    • 発表場所
      Nagoya, Japan
    • 年月日
      2010-11-09
  • [学会発表] 血流の存在を考慮した肝臓RFA用温度分布シミュレータの開発2010

    • 著者名/発表者名
      渡辺広樹
    • 学会等名
      第19回日本コンピューター外科学会大会
    • 発表場所
      福岡県,福岡市
    • 年月日
      2010-11-02
  • [学会発表] 肺臓のラジオ波施工中における電極針近傍の温度測定2010

    • 著者名/発表者名
      山崎望
    • 学会等名
      第19回日本コンピューター外科学会大
    • 発表場所
      福岡県,福岡市
    • 年月日
      2010-11-02
  • [学会発表] 肺の熱伝導率の内部圧力依存性の測定2010

    • 著者名/発表者名
      山崎望
    • 学会等名
      生活生命支援医療福祉工学系学会連合大会2010
    • 発表場所
      大阪府,豊中市
    • 年月日
      2010-09-20
  • [学会発表] Temperature Dependence of Thermal Conductivity of Liver Based on Various Experiments and a Numerical Simulation for RF Ablation2010

    • 著者名/発表者名
      Hiroki Watanabe
    • 学会等名
      International Conference of the IEEE Engineeringin Medicine and Biology Society
    • 発表場所
      Buenos Aires, Argentina
    • 年月日
      2010-09-02

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公開日: 2012-07-19  

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