研究課題/領域番号 |
22360109
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研究機関 | 大阪電気通信大学 |
研究代表者 |
登尾 啓史 大阪電気通信大学, 総合情報学部, 教授 (10198616)
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研究分担者 |
大西 克彦 大阪電気通信大学, 総合情報学部, 准教授 (20359855)
小枝 正直 大阪電気通信大学, 総合情報学部, 准教授 (10411232)
山口 哲 大阪大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (30397773)
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キーワード | GPGPU / 干渉チェック / ハプティクス / コミュニケーション / 歯科シミュレータ / 施術トレーニング |
研究概要 |
本申請では、視覚・触覚・音声の複合現実感を利用し、複数の患者の顔、唇、口腔、歯茎、歯列に関する複数の症例を用意し、研修医や歯学生が簡単に歯科施術の練習ができるシステムの構築を目指している。今年度は、3つの主要項目に以下の様な進展がみられた。 (1) GPGPUによる歯と歯科治療具の干渉チェックの高速化:ここでは、患者の顔、唇、口腔、歯茎、歯列、バー、タービン、ミラーなどをデンタルCTでスキャンし、それらを独立にSTL(三角面多面体)で表現した。そして、GPGPUのZバッファや並列処理の機能でそれらを処理し、歯と歯科治療具の干渉およびめり込み量を高速に計算できるようにした。 (2) 新しい歯科専用ハプティクスの製作:2台の商用ハプティクスを利用し、歯科専用ハプティクスのプロトタイプを製作した。まず、歯科治療具を歯科CTスキャナでキャプチャーし、それをラピッドプロトタイピングで成形し、2台のハプティクスの間に配置した。また、2台の商用ハプティクスの座標系を、多数の位置を正確に指定できるボックスを利用してキャリブレーションした。 (3) 医師と患者のコミュニケーションに関する拡張:音声認識システムと歯科シミュレータを融合し、患者の表情として"安心・不安"や"痛みの有無"など、医師の言葉として"痛かったら手をあげてね"、"神経を掃除していきます"、"虫歯を削っていきます"などを登録した。そして、歯を削り出したら患者に不安な表情をさせたり、歯の神経にデンタルバーが触れたら、患者に痛いという表情をさせたりした。そして、歯科医師の声かけにより、患者の表情が和らいだりするような状況を作り出し、自然な施術や適切な声かけを体験できるようにした。さらに、3次元ステレオ映像を医師の膝元へ鏡面反射させて、医師が患者を実際に診療するのと同じ姿勢で各種の歯科施術ができるようにした。
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