研究概要 |
日本型スマートグリッドの実現形として, 双方向情報通信ネットワークを活用して, 需要家側の分散型電源と可制御・エネルギー貯蔵機器の電力システムの運用・制御体系への協調を図る, 情報融合形ユビキタスパワーネットワークの理論構築を行うために, 下記の研究を行った。本研究では, 可制御・エネルギー貯蔵機器として, 空調用・給湯用ヒートポンプと電気自動車を取り扱う。 1) ヒートポンプ給湯機と電気自動車の利用者利便性や制御特性を考慮しつつ, 電力システム側の発電機との協調を図る, 需給制御(周波数制御および経済負荷配分制御)手法を確立し, ヒートポンプ給湯機・電気自動車, それらを集約する配電用変電所レベルでのローカルコントロールセンター, 電力システムの中央給電指令所の間での制御・通信構成を明確化した。 2) ヒートポンプ空調とガスエンジン, 蓄電池との協調を図る, マイクログリッドの制御試験を実施し, 短周期変動に対する効果的な抑制効果が得られることを検証した。また, ヒートポンプ空調の熱出力を入力とした室温計算シミュレーションにより, 提案制御手法が使用者利便性である熱的快適性に影響を与えないことを確認した。 3) 電気自動車の利用者の充電要求に配慮しつつ, 電力システムの瞬動予備力・周波数制御への貢献を図る, 自律分散制御と1)の制御の協調制御手法を設計し, ローカルコントロールセンターまでの制御・通信を想定した電気自動車・充電インフラ装置における制御試験を実施した。
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