研究課題
REBa2Cu3O7-x(RE:Rare Earth, Y, Gdなど、 以後REBCO)超伝導線材は、次世代の超伝導線材として世界中で開発競争が進められている。しかし、これを用いた機器では総熱負荷の大半をREBCO線材の交流損失が占める。 超伝導機器設計のためには超伝導巻線における交流損失の簡便な見積手法の確立が急務であるが、REBCO超伝導線材は臨界電流特性のみならず交流損失特性においても大きな異方性を持ち、さらに大きな線材アスペクト比による反磁界効果の影響で理論的に予測することが難しい。REBCO線材を用いた超伝導機器が使用される温度領域は従来の低温超伝導線材と比べて極めて広く、交流損失の温度依存性まで含めると、設計のための交流損失見積りには膨大な時間と煩雑な手順を要する。本研究では、温度スケーリング則を用いてREBCO超伝導線材の交流損失の簡便な見積法の確立を目指した。 昨年度までに、IBAD-PLD法REBCO超伝導線材について、人工ピンニングセンターの導入の有無に関わらず、臨界電流、磁化、交流 損失が温度についてスケーリングすることを確認した。今年度は、低交流損失化のためにレーザスクライ ビングにより細フィラメント化したIBAD-PLD法REBCO超伝導線材について、鞍型ピックアップコイルを用いて磁化、交流損失を測定し、臨界電流の温度、磁界、磁界印加角度依存性を評価し、臨界電流、磁化、交流損失が温度についてスケーリングすることを確認した。 さらに、これらの結果を基に、任意の温度、磁界、磁界印加角度におけるREBCO超伝導線材の交流損失の簡便な見積手法について考察した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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