金属/微小空隙/絶縁体/半導体構造の二次元アレイセンシングデバイスを製作し、センシングデバイス動作を明らかにした。半導体部としては、SOI(Silicon on Insulator)ウェハのシリコン層の微細加工により絶縁分離されたライン状シリコン領域を形成した。絶縁体部としては、検出部として用いるシリコン領域表面に極薄シリコン酸化膜を形成した。微小空隙を形成するために、石英基板の微細加工によりスペーサ絶縁部を形成した。金属部としては、微小空隙に面する石英基板表面にライン状の金薄膜を形成した。ライン状金薄膜を形成した石英基板とライン状シリコン領域を形成したSOIウェハの表面を向かい合わせてスペーサ絶縁部を介して貼り合わせ、微小空隙が形成されたデバイスを製作した。アレイデバイスとしては、金ライン8本とシリコンライン12本との交点が96点の金/微小空隙/シリコン酸化膜/シリコン構造を二次元配列したセンシングデバイスを製作した。センシングデバイスの微小空隙に純水を導入し、交点の金/微小空隙/シリコン酸化膜/シリコン構造の静電容量‐電圧特性を測定することにより、純水を電気的に検出した。理想静電容量‐電圧特性の計算結果と測定結果を比較することにより、交点の金/微小空隙/シリコン酸化膜/シリコン構造がセンシングデバイス動作していることを明らかにした。金/微小空隙/シリコン酸化膜/シリコン構造二次元アレイセンシングデバイスは、構造が単純であり、製作工程数を少なくできる意義がある。また、多くの検体データの一括取得解析による検出の高精度化を実現できる意義がある。
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