研究課題
平成22年度は、3電気端子を有する長波長帯トランジスタレーザ(TL)の実現に向け、その理論解析・素子作製を行った。理論解析においては数値計算法によりその動作機構を解明するとともにレーザダイオード(LD)では実現困難な40Gbpsでの高速変調の可能性を示し、TLの優位性を示した。一方、素子作製に向けては、導入予定の埋め込みヘテロ(BH)構造形成法に関する検討を行った。本研究で用いるAlGaInAs/InP材料系は、空気中で酸化されやすく実現が難しく、その成長界面評価は行われていない。本研究においては、表面再結合速度Sを用いた成長界面評価を行い、その指数であるSτ値で100nm以下と良好なBH構造形成を実現した。この値は、酸化影響の少ないGaInAsP/InP系BH-LDと同等以下であり、酸化影響の無い構造形成に成功した。その特性もストライプ幅1.6μm、共振器長500μmにおいて注入効率76%、一層当りのしきい値電流密度J_<th>=203kA/cm^2/wellと、世界最高水準の性能を有するAlGaInAs/InP-BH-LD作製に成功した。次に、実際にTL作製を行い、ストライプ幅1.8μm、共振器長500μmのp/n/p型のTLにおいてしきい値エミッタ電流密度J_<Eth>=1.9kA/cm^2、注入効率47%などを実現し、今年度の目標であった室温連続発振動作及びコレクタ電圧による光出力制御を得た。
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