研究課題/領域番号 |
22360145
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
安田 雅昭 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30264807)
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研究分担者 |
多田 和広 富山高等専門学校, 電気制御システム工学科, 助教 (90579731)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 電子ビーム / ナノカーボン / 照射効果 / 構造制御 / ナノメカニクス / 分子動力学法 / 電子顕微鏡 |
研究概要 |
ナノカーボン材料の電子ビーム照射による構造制御を実現するための基礎的知見を得ることを目的に、電子衝突過程を確率論的に組み込んだ分子動力学法により構造変化の電子照射条件依存性を解析した。 まず、グラフェンを対象として電子ビーム照射による構造制御のシミュレーション解析を実施し、単層グラフェンからの炭素原子チェーンの形成や、二層グラフェンからのチューブ構造の形成などの結果を得、電子照射条件によりグラフェンから多様なナノカーボン構造を形成できる可能性を示した。 次に、応力を印加した単層カーボンナノチューブを対象に電子ビーム照射による構造変化と印加応力の関係を解析した。炭素原子のたたき出し欠陥の生成確率は印加応力の影響が小さく、その他の欠陥は生成確率が印加応力に依存する結果が得られた。このことより印加応力が電子ビーム照射によるカーボンナノチューブの構造制御のパラメータの一つとなることを示した。 さらに、電子ビーム照射を受けた単層カーボンナノチューブの圧縮と曲げ強度の解析を行い、照射時間が長くなり照射欠陥が多く含まれるほど機械的強度が低下する結果が得られた。また、照射時の試料温度が上昇するほど試料がチューブ構造を維持しやすくなり、圧縮変形に対する機械的強度が大きくなることが分かった。前年度に実施した引張りと捻り強度の解析と合わせると、これらの結果は、電子照射を受けたカーボンナノチューブの各種機械的特性に共通する電子照射効果であると結論付けられる。 最後に、電子照射効果を組み込んだ分子動力学解析の結果として得られる分子構造モデルを電子顕微鏡像に変換するシミュレーションを実施した。これにより、本課題で実施したシミュレーション結果を電子顕微鏡観察による実験と比較することが可能となった。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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