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2011 年度 実績報告書

ロボットスワームにおける無線ネットワークのロバスト化とルーズなコーディネート

研究課題

研究課題/領域番号 22360157
研究機関大阪市立大学

研究代表者

原 晋介  大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80228618)

キーワード群ロボット / ネットワーキング / 行動制御 / 位置推定 / 受信電力測定 / クラスタリング / マルチパスルーチング / 協調伝送
研究概要

(1)受信信号電力だけを使った位置推定は推定精度が著しく低いので,各ロボットにカメラを搭載し,カメラ画像使って位置推定を行うことを検討し始めた.しかし,スワームが将来ミクロオーダになることを考えると,ミクロロボットにカメラを搭載することは不可能になるので,カメラ画像の使用はあくまでも補助的なものとし,原点に立ち返って,受信信号電力だけを使って位置推定ができるようにすることを検討した.ここにブレークスルーを見出したいと思っている.
(2)かってに動いているターゲットの位置を推定する場合と異なり,ロボットスワームでは,ロボットの移動距離を既知とできる.従って,ロボットの移動距離を拘束条件にして位置推定が行える.ロボットスワームならではの,この特徴を活かした位置推定法を提案し,理論と計算機シミュレーションでその特性を解析した.この方法では,位置推定のアルゴリズムが複雑となることから,まだ完全にはそのアルゴリズムが動作していないが,平成24年度の早いうちに結果が出せると思っている.
(3)ロボット間ネットワークには障害物や他ロボット等の妨害に対してロバストなことが求められる.ロボット間に複数のルートをはり,同じ情報を冗長に並列に伝送するマルチパスルーチングを提案した.ここでは,ルート間の距離を定義し,障害物に合わせてルート間の距離を自由に設定できる.
(4)ネットワークをロバスト化する方法には,上記のマルチパスルーチングの他に,送信ダイバーシティを用いた協調伝送が考えられる.この協調伝送では,適する協調ノード(ロボット)の選択が鍵となる.この協調伝送における協調ノード選択法について検討することを開始した.協調伝送は,マルチパスルーチングを組み合わせることができ,相乗効果が期待できる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

理論と計算機シミュレーションによる評価を前提とした場合,提案するロバストなネットワーキング法およびルーズなコーディネート法の研究は順調に進んでいる.一方,実機を用いた実験による評価を前提とした場合,提案するロバストなネットワーキング法を実装し評価することは難しくないが,現在購入可能な無線通信モジュールでは,受信電力測定しか行えないので,コーディネートを行うための位置推定精度が著しく低い.従って,提案するルーズなコーディネート法を実験で評価することが難しい状況になっている.

今後の研究の推進方策

(1)送信ダイバーシティによる協調伝送を利用したロボット間のロバストなルーチングについて,計算機シミュレーションと実験により,さらに優れる方法を検討する.
(2)マルチパスルーチングと協調伝送を融合させる方法を計算機シミュレーションと実験により検討する.
(3)群ロボットの行動制御の特徴を活かした新しい位置推定法を,理論と計算機シミュレーションにより評価検討する.
(4)新しい位置推定法を実験で評価できるように検討する.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] A Distant Multipath Routing Method for Reliable Wireless Multi-Hop Data Transmission2012

    • 著者名/発表者名
      Kento Terai, Daisuke Anzai, Kyesan Lee, Kentaro Yanagihara, Shinsuke Hara
    • 雑誌名

      IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences

      巻: Vol.E95-A ページ: 723-734

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Use of Area Layout Information for RSSI-Based Indoor Target Tracking Methods2011

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Anzai, Kentaro Yanagihara, Kyesan Lee, Shinsuke Hara
    • 雑誌名

      IEICE Transactions on Communications

      巻: Vol.E94-B No.7 ページ: 1924-1932

    • DOI

      10.1587/transcom.E94.B.1924

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Distant Multipath Routing Method for Reliable Wireless Multi-Hop Data Transmission2011

    • 著者名/発表者名
      Kento Terai, Daisuke Anzai, Kentaro Yanagihara, Shinsuke Hara
    • 雑誌名

      Proceedings of IEEE Vehicular Technology Conference (VTC) 2011 Fall

      ページ: 1-5

    • DOI

      10.1109/VETECF.2011.6092828

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A Cooperative Transmission Scheme for Real-Time Data Gathering in a Wireless Body Area Network2011

    • 著者名/発表者名
      Shinsuke Hara, Daisuke Anzai, Kentaro Yanagihara, Kenichi Takizawa, Kiyoshi Hamaguchi
    • 雑誌名

      Proceedings of IEEE International Symposium on Personal, Indoor and Mobile Radio Communications (PIMRC)2011

      ページ: 2254-2258

    • DOI

      10.1109/PIMRC.2011.6139919

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Initial Robots Formation for Clustering and Information Networking in a Robot Swarm2011

    • 著者名/発表者名
      Yuiko Tanaka, Shinsuke Hara
    • 雑誌名

      Proceedings of International Symposium on Wireless Personal Multimedia Communications (WPMC) 2011

      ページ: 1-5

    • 査読あり
  • [学会発表] 複数台の協調ノード選択による無線マルチホップ通信の高信頼性化2012

    • 著者名/発表者名
      久保正樹,原晋介
    • 学会等名
      2012年電子情報通信学会総合大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2012-03-22
  • [学会発表] 無線通信と制御の融合-ビヨンド・コグニティブ無線の可能性-2011

    • 著者名/発表者名
      原普介
    • 学会等名
      2011年電子情報通信学会ソサイエティ大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2011-09-16
  • [学会発表] スワームロボットにおける通信ネットワーク構築のための初期形態に関する研究2011

    • 著者名/発表者名
      田中結子、 原 晋介
    • 学会等名
      2011年電子情報通信学会ソサイエティ大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2011-09-14

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公開日: 2013-06-26  

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