研究概要 |
エンドツーエンドのパフォーマンスは,端末のパフォーマンス,ネットワークのパフォーマンス,端末のパフォーマンスの三つの区間からなる.ネットワークパフォーマンスというと,真にネットワーク部分のみのパフォーマンスを指すこともあるが,エンドツーエンドのパフォーマンスを指すこともある.確保すべきパフォーマンスはエンドツーエンドのパフォーマンスなので,両側の端末のパフォーマンスも重要である.しかし,これまで端末のパフォーマンスは無視され,ネットワーク部分のパフォーマンスのみ検討されてきた.そこで,一般的なオペレーティングシステムのコンピュータを対象にして,通信制御のパフォーマンスを測定し,そのモデル化を行った.この結果得られた端末パフォーマンスのモデルは,そのマシンで,そのオペレーティングシステムを用いた場合のものであり,汎用性があるわけではない.しかし,測定の仕方,モデル化の仕方に汎用性があり,他のマシン,他のオペレーティングシステムでも,同様の方法で端末パフォーマンスのモデルを構築することが可能である. ネットワークのパフォーマンスに関しては,プローブによるアクティブ測定で得られたデータの処理について検討を行った.まず,測定精度の高度化について検討を行った.次に,測定した遅延時間を元に,ネットワークを遅延スペースとして描く検討を行った.これにより,ネットワークトポロジーが分からなくても,効率的なパスを構築する手法を考案した.更に,マルチホップのパスのモデル化についても検討を行った. 以上の検討のほか,測定の向きと精度の関係の検討,測定に基づく最適経路選択の検討,測定に基づくネットワーク攻撃検出の検討などを行った.
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