研究課題/領域番号 |
22360159
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
田中 良明 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30133086)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | ネットワーク / パフォーマンス / 運用 / 管理 / アクティブ測定 |
研究概要 |
ネットワーク管理は常時行うものであるので,当然災害時にも適用できなければならない.本年度は,これまでの検討に加えて,災害時にネットワークに障害が生じたり,異常トラヒックが発生したりしたときのネットワーク管理についても検討を行った. 平常時の通信と災害時の通信では,QoSが同じであってもQoEは大きく異なる.最近QoEを大きくするようにネットワークを制御することに関心が高まっているが,災害時にも平常時と同じようにQoEを推定すると,適切でないネットワーク制御になる.そこで,災害時のQoEに関してQoSとの関係を求めた. 災害時に通信料金を高くすれば,必然的に重要な通信のみが行われ,不要不急の通信は行われない.QoEと支払意思額が等しいとすれば,このような通信料金によるトラヒック制御が最適制御になる.測定したトラヒックに基づいて料金を適応的に決定し,ユーザに提示する方式などについて検討を行った. アドホックネットワークは災害時における通信に有用とされているが,災害時への適用では解決すべき課題がある.その一つが特定のノードへのトラヒック集中である.これを回避するには,遠回りでもノードが多い場所を通って中継するようにしなければならない.これは,集中制御であれば簡単なことであるが,アドホックネットワークは分散制御であるので,工夫が必要になる.このような観点から,負荷分散のために新しいルーチング方式とそれに必要な測定方法を検討した. このほか,アドホックネットワークにおいて測定に基づいて攻撃ノードを検出する方法,光ネットワークの最適運用法などについて検討を行った.また,基本的な技術として,利用可能帯域幅測定の高精度化についても引き続き検討を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初は,一般的なネットワークのパフォーマンス管理を対象に検討していたが,その検討とともに,光ネットワークや無線ネットワークに特化した管理の検討も行っている.更に,災害時の管理の検討も行っている.
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今後の研究の推進方策 |
基本的な測定や管理の方法,光ネットワークや無線ネットワークへの適用方法とともに,災害時の管理についても引き続き検討を行う.
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