研究課題
コンクリート部材の内部きずや鉄筋の損傷等を非破壊的に評価するために,弾性波・電磁波を同時に利用して画像化する,全く新しい検査システムを開発することを目的とする.弾性波は音響インピーダンスの異なる材料から,電磁波は特性インピーダンスの異なる材料から散乱波を発生することから,それぞれの波動特性を生かした統合イメージング手法を構築する.ここでは,超音波・電磁波を送受信する素子(アンテナ)をアレイ状に配列させ,このマルチシグナルプローブを用いて波形を記録する.計測された波形は,全波形サンプリング処理方式(FSAP方式)によって,PCメモリ上で集束ビームを合成する.この集束ビームを基に開口合成法でコンクリート内部を可視化する. 本年度は以下の2項目について,検討を行った.[1] ハード(計測)・ソフト(画像化)制御のためのプラットフォームの構築最終的に,超音波・電磁波の画像化システムのプロトタイプ開発を予定しているため,ハード(波形計測パート)とソフト(画像化パート)の両方を一元的に制御する必要がある.ここでは,LabVIEWを用いてGUIを実装した.超音波については,波形計測・映像化までのシステムを構築し,現場で応用できるレベルまで仕上げたが,電磁波については,計測装置が特殊仕様(カスタマイズ困難)であり,計測と映像化の一元化は未整備である.[2] 超音波・電磁波マルチシグナルプローブによる画像化の検証超音波・電磁波の画像化システムの性能検証を行った.コンクリート供試体を作成し,内部欠陥(ボイド)の超音波可視化を行った結果,低周波アレイ探触子を用いて,骨材率50%のコンクリート中の欠陥が再構成できた.また,電磁波可視化については数値シミュレーションによる検証は終了し,現在は実験による検証を行っている.さらに,今後は,超音波・電磁波の同時に使用した映像化を予定している.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)
Journal of Solid Mechanics and Materials Engineering
巻: Vol.6, No.6 ページ: 771-781
DOI:10.1299/jmmp.6.771
Journal of Computational Science and Technology
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コンクリート構造物の非破壊検査論文集
巻: 4 ページ: 253-262
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土木学会論文集A2(応用力学)
巻: 68(2) ページ: I227-I236
http://www.mech.cee.ehime-u.ac.jp