研究課題/領域番号 |
22360184
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
中井 照夫 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (00110263)
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研究分担者 |
シャヒン ホサイン 名古屋工業大学, 工学研究科, 准教授 (00516495)
菊本 統 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教 (90508342)
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キーワード | 構成モデル / 時間効果特性 / 過圧密土 / 自然堆積土 / 有限要素解析 / 変形 / 破壊 |
研究概要 |
前年度は特に、研究代表者らが行ってきた地盤材料の構成モデルと地盤の応力・変形解析に関する研究をベースに、一般応力条件下の地盤材料の諸特性を簡単且つ精緻に説明できる構成なモデルのフレームワークを創った。今年度は、特に時間効果特性に焦点を絞り、モデルの定式化と実験によるモデルの検証を中心に実施した。すなわち、モデル化ではひずみ速度によって正規圧密線(NCL)のe-log p関係が上下方向に平行に移動することが分かっている(多次元では限界状態線(CSL)も)。この移動量を表す状態変数Ψを導入することにより、時間効果特性を体系的に説明できる力学モデルを構築した。モデルはまず1次元で構築し、その妥当性を正規圧密粘土、過圧密粘土および自然堆積粘土のひずみ速度効果、クリープ挙動、応力緩和挙動のシミュレイションやひずみ速度を変えた定ひずみ速度試験の解析を通して検証した。一方、これまでの粘塑性理論(非定常流動曲面型モデル、超過応力型)の意味も1次元モデルで解説し、それらのモデルの意味や問題点を明らかにするとともに、提案時間効果モデルの意義を明確にした。 次に、すでに提案している修正応力t_<ij>の考え方を使って、1次元モデルを一般的な3次元応力下で有効な多次元モデルに拡張し、その妥当性を正規圧密土、過圧密土、自然堆積土の定ひずみ速度試験、クリープ試験、応力緩和試験の解析を通して検証した。更には、この多次元モデルを有限要素解析プログラムに組み込み、実地盤の解析に適用出来るようにした。 以上、本年度は時間効果特性の1次元および多次元でのモデル化とその有限要素解析プログラムへの導入をはかったが、ここでの時間効果特性の評価法は従来の粘塑性理論に比べ簡単で且つ合理性があり、適応範囲も広いものである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実際の現場データの解析を省き後は予定通り進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
現場データの解析を含め、他の材料特性を考慮したモデルに発展させる。また、開発するモデルを用いた原地盤の解析も行っていく。
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