研究課題/領域番号 |
22360187
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
中田 幸男 山口大学, 理工学研究科, 教授 (90274183)
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研究分担者 |
兵動 正幸 山口大学, 理工学研究科, 教授 (40130091)
鈴木 素之 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (00304494)
吉本 憲正 山口大学, 理工学研究科, 助教 (00325242)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 土石流 / まさ土 |
研究概要 |
平成21年7月におきた山口県防府市の土石流災害では、表層地質が花崗岩で覆われた地域において、予想を上回る広域から土石流が発生し、想定以上の砂が流出し、多くの犠牲が生じることになった。そのため、花崗岩の風化残積土であるまさ土の土石流の発生メカニズムとくに、土石流源頭での発生メカニズム、斜面崩壊から土石流への遷移メカニズムの解明が、今後の防災・減災のために必要である。そこで、本申請では、まさ土の土石流発生メカニズムの解明に関する一連の検討を行うものである。具体的には、研究期間を通して,(1)乱さないまさ土の力学特性の把握と模擬地盤の作成方法の検討,(2)中型模型まさ土地盤に対する土石流の再現と土砂移動の把握,(3)土石流発生地における降雨量と地下水挙動の把握,(4)個別要素法解析による模型実験の再現と微視的力学挙動の理解,(5)(1)から(4)に基づく発生メカニズムの解明,を行う。 このうち平成24年度は(1)から(4)に対する検討が進められた。(1)まさ土の力学特性を把握するために開発した単純せん断試験機を用いてせん断強度を測定し、せん断強度式について検討した。(2)土石流を再現するために作成した模型実験装置および降雨量装置を用いて実験を行い、まさ土斜面の崩壊挙動に与える粒度特性の評価を行った。(3)3箇所の土石流発生地において現場計測を行い、間隙水圧計および雨量計を観測結果について分析した。(4)(3)で明らかになった挙動を考慮できる解析手法の提案を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね研究調書に記載した研究計画通りに進んでいる。 (1)のまさ土の力学特性の把握については、装置の改良やキャリブレーションなどに時間を要したため、来年度までの検討を続ける必要が出てきている。 (2)の土石流の再現と土砂移動の把握や(3)の土石流発生地における降雨量と地下水挙動の把握については、順調に成果が上がっている。 (4)の解析による模型実験の再現と力学挙動の理解については、極限平衡法に基づく新しい手法の提案を試み,崩壊メカニズムの説明が可能なことを確認した。 以上の4つの内容について、国内外で学会発表することになっている。これらの状況から総合的に判断して、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後はこれまで取り組んできた内容について、継続的に進めていく。加えて、各々であげられた成果の質の向上につとめ、学術雑誌での公表に向けて準備を進めていく。
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