研究課題
浚渫土砂処分場が飽和状態にあることから、浚渫土の効果的な減容化や再生リサイクルの方法が強く求められている.著者らの研究グループでは、軟弱な浚渫土の強度増加を目的として、浚渫土に固化材を添加した直後に高圧機械脱水を行う「脱水固化処理」という新たな材料再生技術の開発を行ってきた.これまでに浚渫土砂に脱水固化処理を施すことにより、実物大のソイルブロックの作製に成功した.研究最終年度において、脱水固化処理により作製したソイルブロックの実用化に向けた基礎的な実験を行い、ソイルブロックの均質性および強度特性の評価を行った.さらに、実海域におけるソイルブロックの暴露を行い、長期耐久性の評価および生物付着状況の調査を行った.研究最終年度において得られた研究成果は、以下のとおりである.1)三次元排水機能を有する脱水ドレーンを用いることで、ソイルブロックの製造時間を約4分の1から8分の1に大きく短縮できる.2)実海洋環境条件における2年間にわたるソイルブロックの暴露試験により、ソイルブロックに付着する生物の被覆率ならびに出現種数は、対照区とほぼ同様であることから、開発したソイルブロックは、他のコンクリート製海洋構造物と同様に用いることができることが明らかとなった.3)3年間の研究成果をもとに、土砂の基本的な物理特性から、目標の強度や形状を有するブロックを製造するために必要な固化材の配合量、脱水圧力、製造時間などを決定できる開発フローならびに製造マニュアルを作成した.4)高圧固化成型技術の汎用性を検討するために、博多湾で浚渫された土砂を用いてソイルブロックを製造し、福岡市博多湾において現地実証フィールドを開拓した.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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第10回地盤改良シンポジウム論文集
ページ: 263-266
ページ: 297-300
ページ: 501-504
Soils and Foundations
巻: Vol.52, No.4 ページ: 600-619
10.1016/j.sandf.2012.07.003