研究分担者 |
大村 達夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30111248)
西村 修 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80208214)
真砂 佳史 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (50507895)
竹門 康弘 京都大学, 防災研究所, 准教授 (50222104)
横尾 善之 福島大学, 共生システム理工学類, 准教授 (90398503)
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研究概要 |
分布型流出モデルと水温解析モデルから算定した水理情報と水温情報,地理・土地被覆情報を使用して作成されたHSIモデルを用いて生息環境を評価した.得られた主な結果を以下に示す.(1)対象生物のHSI分布を示した.ヤマメの一般的な生息場所やアユの一部地域における実際の生息確認箇所の傾向と近い分布を得ることが出来た.(2)水温を考慮することにより,ゲンジボタルとヘイケボタルのHSIが増加するが,カエル類は減少することが示された.(3)動的な水温の要素を評価に取り入れたことにより,従来年毎においてのみ可能な評価が,月ごとの時系列データにおける評価を可能とした.(4)水温を加味したWUAの年変動により,アユの河川への遡上行動及びカエル類の冬眠期における生息適性の減少が表現され得ることが示された. また,多様性解析を行うため,山形県大井沢川においてスリット型砂防堰堤の存在する河道において,底生動物群集の種多様性及びヒゲナガカワトビケラ地域集団の遺伝的変異をマイクロサテライトDNAマーカーにより解析した.その結果,底生動物群集のShannon-Weiner多様度指数H'及び分類群数Sは透過型堰堤の下流で増加する傾向があった.平均ヘテロ接合度Hoは2基の透過型堰堤の上流で増加していた一方,不透過型堰堤の上流では減少していた.
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