研究課題
交通事故の中でも人対車両事故は歩行者と接触することから人的被害は大きく、その減少が強く求められている。日本において歩行中の死者数が状態別死者数のNo.1となって数年経過してきている。このような状況において本研究では、交差点の横断歩行者事故に注目した。横断歩道を通行するとき、左右を見て安全を確認し渡りなさいという安全指導が一般的に行われている。しかし、歩行者が、いつ・どこで右左折車を確認し、右左折車との危険を評価すべきかを具体的に示した例は少ない。歩行者が危険を正しく判断できるかどうか不明なレベルで、歩行者に安全を呼び掛けている。いつも見ていれば安全というようなレベルである。横断のリスクを示すハザードの指標が明確に示されていない。本年度の研究では、これまでの実験成果をとりまとめ、横断歩道横断時の右左折車確認行動の首振り挙動から,どこでどのように首を振り安全確認をすればリスクを軽減できるかを捉えることを目的とし分析した。その結果、交差点進入直前、横断歩道の中央付近で右左折車の存在を確認することを促し、車両を認知させることが、適切な回避行動、横断の安全につながることが分かった。夜間の高齢者は、右左折車の確認回数が少なく、遅れていた。過去の研究から、右左折車のドライバが横断歩行者を的確に発見することは難しい。両者の結果から、横断歩道を横切るとき右左折車は必ず一旦停止するなどのあらたな規制を選択するか、ドライバの歩行者認知を支援するシステムを整備するなどの対策が必要となると言えた。さらに、歩行者の車両認知挙動を小型ハイブリッドセンサと小型レーザーレーダで計測するシステムを構築できた。今後の歩行者の車両認知挙動計測を容易とし、様々な場面での評価を可能とするシステムとなることが期待できる。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Transportation Research Board 92nd Annual Meeting
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Transportation Research Record: Journal of the Transportation Research Board
巻: Vol. 2299 ページ: 157-165