研究課題/領域番号 |
22360204
|
研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
鈴木 猛康 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (20435580)
|
研究分担者 |
秦 康範 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 准教授 (70360849)
|
キーワード | 減災 / ITS / 自然災害 / 情報システム / 土砂災害 / 走行実験 |
研究概要 |
本研究は、災害時に被災地を走行する車両から、点あるいは面的な道路被害を推定するアルゴリズムの開発と、そのアルゴリズムを組み込んだ車載器センサーと道路被害推定プロトタイプシステムに求められる仕様を明らかにすることを目的としている。 平成23年度は、切土/盛土の崩壊による片側通行等、道路被害箇所の異常車両走行の検知に関する既開発のアルゴリズムを用いて、スマートフォンの加速度ならびにジャイロセンサーの情報から異常走行を検知するスマートフォン・アプリを作成した。また、車両走行実験によってその適用性を検証した。これにより、スマートフォンが車載器になりうることを示すことができた。一方、3軸加速度を用いて、橋台部での段差走行における段差量を検知するアルゴリズムを、1自由度系の運動方程式の解に基づいて構築した。さらに、GISソフトならびにデータを導入し、土砂災害危険個所と車両の異常走行の関連付けに関するアルゴリズムを構築した. 平成21年7月における九州北部の豪雨災害における福岡市内のタクシープローブデータを使って、平常時の移動平均速度の統計情報とリアルタイム車両走行データから面的に道路浸水域を推定するアルゴリズムと浸水箇所を抽出するアルゴリズム構築を行った。 東北地方太平洋沖地震が発生したことから、地震発生後に自動車メーカー、カーナビメーカーが実施した交通実績マップの提供状況について調査した。また、地震当日のいすゞ自動車の大型車両プローブデータを入手し、地震前後の被災地を通行する車両の通行軌跡について、津波浸水実績との関係を中心に定性的な分析を行った。 昨年発生したクライストチャーチ地震ならびにブリスベン水害における都市の被害と交通への影響について、現地の復興状況視察とともに災害発生直後では得られない報道資料を現地で集めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スマートフォンの機能向上・普及のスピードが速いため、スマートフォン・アプリへの開発の方向転換はあるものの、目的の達成度としては順調である。
|
今後の研究の推進方策 |
成果を形にして残したい。開発したシステムの実装を念頭に研究を推進する。
|