研究課題/領域番号 |
22360218
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
橋本 征二 立命館大学, 理工学部, 教授 (30353543)
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研究分担者 |
中島 謙一 独立行政法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 研究員 (90400457)
小口 正弘 独立行政法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 研究員 (20463630)
村上 進亮 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (40414388)
山末 英嗣 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (90324673)
平木 岳人 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60550069)
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キーワード | 都市鉱山 / レアメタル / 収集システム / 鉄鋼業 / 非鉄金属製錬業 |
研究概要 |
「既存の技術システムの再構築」については、鉄鋼および銅製錬プロセスにおける元素の分配挙動の精緻化を行った。また、一般廃棄物として自治体へ排出される電気電子製品の排出量データを作成し、全国自治体の収集処理実態調査結果を用いて一般廃棄物収集処理における電気電子製品および含有金属の収集・処理フローを自治体ごとに試算した。 「レアメタル発生ポテンシャルの推計と収集システムの構築のための方法論の開発と適用」については、蓄積量の検証が行えるいくつかの小型家電を対象に都道府県別の蓄積量及び廃棄量を推計し、地域ごとの発生密度の違いを明らかにした。また、自治体による一般廃棄物収集シミュレーションモデルを改良するとともに、妥当性の検証のために実際の事業者から走行データ等を入手し、モデルの妥当性が向上したことを確認した。さらに、WIO-MFAモデルを用いて、国内地域別の発生加工スクラップの組成情報を推算し、加工スクラップに随伴するレアメタル量を推計した。特にクロム・ニッケル・モリブデンに注目したところ、いずれの元素についても中部地区・愛知県の自動車用鋼が、レアメタル随伴物質として高い割合を占めることが明らかとなった。また、東北地域を対象として、震災に伴って発生した鉄鋼材料の発生量・NiおよびCr含有量等を明らかにした。 「地域の鉄鋼業・非鉄金属製錬業を基軸とした地域ごとのレアメタル回収システムの構築」については、東北地域を対象として、シュレッダー・プレス・鉄鋼製錬業に関するインフラ施設の地理情報・能力情報を収集・解析した。また、鉄鋼スラグからリン酸をリサイクルする際に必要な関与物質総量(TMR)を推算した。さらに、鉄鋼スラグはいわゆる使用済み製品と異なり、ポストコンシューマー型の都市鉱山であることに注目し、環境履歴の影響について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
精錬プロセスでの冶金学的な特徴を明らかにするとともに、一般廃棄物処理プロセスにおける物質収支の把握や地域ごとのレアメタルの発生ポテンシャルの推計、効率的な収集システムを検討するモデルの開発などを行ってきており、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
冶金学的な特徴を考慮しつつ既存の製錬技術システムの再構築を行うという第1の目的、地域の鉄鋼業・非鉄金属製錬業を基軸としたレアメタル回収システムを提案するという第3の目的に焦点を当てて、最終年度に成果を全体として統合するよう進める。また、研究成果の公表を積極的に行う。
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