研究課題/領域番号 |
22360221
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
原田 幸博 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10272791)
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研究分担者 |
江波戸 和正 関東学院大学, 工学部, 助教 (70568766)
島田 侑子 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (90586554)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 鋼構造 / 耐震補強 / 方杖 / ボルト接合 / 柱梁接合部 |
研究概要 |
1. 耐震補強用制震方杖部材の開発 既存鋼構造建物の耐震補強に方杖部材を用いる場合、方杖部材が弾性に留まり既存架構の柱・梁部材が塑性化する崩壊機構で架構全体の耐震性が決定されることが多い。しかし、補強後の建物をさらに長期間使用するには、主架構の損傷を想定する補強設計は必ずしも望ましくない。方杖を先行降伏させて主架構に発生する応力を抑制し無損傷とできれば理想的であろう。今年度は、昨年度に単調引張実験を行った試作部材を対象とし、圧縮・引張の繰り返し載荷実験を実施して制震部材としての有効性を検証した。 2. 方杖部材周りの応力評価用簡易力学モデルの構築 鋼構造建物に方杖部材を取り付けることで、柱梁接合部周辺の応力は取り付け前に比べて大きく変化する。その変化の程度は方杖取り付け位置などの幾何学的構成に左右されるため、一般的な議論を行うことが難しい。そこで、方杖部材周りの応力をより高い精度で評価するための簡易な力学モデルを提案した。そして、詳細な有限要素モデルで得られる骨組の力学挙動が、ボルト接合部の局所的な応力・変形状態を含め、この簡易モデルで概ね再現できることを確かめた。 3. スチフナ補強設計手法の提案 既存鋼構造建物には、現行の設計ではあまり用いられない幅厚比の大きい部材が用いられている場合があり、そのような部材は早期に局部座屈するため、架構全体の耐震性も低く耐震補強が必要となる場合がある。このような場合に、局部座屈発生が想定される箇所の局所的かつ簡易な補強で部材の塑性変形能力を向上できれば、効率的な補強ができる可能性がある。本研究では、塑性変形能力向上用スチフナの設計手法の提案につながる基礎的な実験データを、スチフナ付きH形鋼部材の短柱圧縮試験によって収集した。その結果、材軸直交スチフナを断面の片側のみに配置する場合でも十分な塑性変形能力の向上が期待できることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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