研究課題
H22年度において、材料分離を考慮した調合設計、品質管理、施工管理および硬化後の性能予測に関する技術を開発する本研究の基礎研究として、以下の研究を実施した。1)棒状振動機、ガンマ線密度計、密度計を上下移動するためのモータおよびモータ制御・データ収集用パソコンによって構成される振動分離型の骨材分離抵抗性評価試験装置を設計・製作して、制御・計測システムを構築した。γ線密度計の線源と検出部の間に置いた容器にフレッシュコンクリートを充填し、振動前後の重心偏移率の測定によって骨材分離抵抗性を評価する。また、硬化コンクリート供試体を同位置に直接置き、その分離程度を計測する。2)残留電圧と水量の相関関係を利用したブリーディング量の自動測定装置を製作して、前述した振動分離型の分離抵抗性評価試験装置を統合して、振動後の試料重心偏移率とブリーディング量を測定するシステムを構築した。3)振動後のブリーディングとJIS試験法によるブリーディングの関係を定量的に検討し、振動後のブリーディングによるJIS法の水量の推定方法を提案した。4)開発した実験装置を用いてフレッシュコンクリートの分離抵抗性(ブリーディング、粗骨材分離)の統合的な評価方法を提案し、その妥当性を検証した。5)コンクリートの力学性能に及ぼす材料分離の影響を予測する粘弾塑性サスペンション要素法の要素分割とその性質の位置による設定方法を検討した。
すべて 2010
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)
コンクリート工学年次論文集
巻: Vol.32, No.1 ページ: 1193-1198