研究課題
コンクリートに材料分離が発生すると、その施工性および硬化後の力学的性質と耐久性などが劣ることが知られている。本研究は、コンクリートの高品質化・高性能化・長寿命化を実現するための基礎研究として、材料分離抵抗性を考慮した調合設計、品質管理、施工管理および硬化後の性能予測に関する一連の技術を開発するものである。平成24年度では、(1) 強度、ヤング係数、乾燥収縮、中性化抵抗性、空気量などに及ぼす材料分離程度の影響を定量的に考察し、調合設計と品質管理の目標値となるコンクリートの材料分離限界を提案した。(2)コンクリートの打設充填のモデル実験方法を開発し、L型ボックスの充填実験結果によって現場打設の場合における材料分離程度を予測する方法を提案した。また、打設後の分離程度とコンクリートの流動性、調合、鉄筋の配置密度および振動時間などとの関係を調べた。(3)前述した(1)と(2)の研究結果に基づいて、コンクリートの分離抵抗性を考慮した調合設計と検証の方法を提案した。(4) L型ボックスの充填実験と推定部位の密度測定によって、打設したコンクリートの水平流動方向における単位粗骨材量分布、および流動先端の鉛直方向における水セメント比と単位粗骨材量の分布を推定する方法を提案した。さらに、水セメント比と単位粗骨材量の推定結果および圧縮強度のLCPCモデル、ヤング係数の西田計算式に基づいて、材料分離が発生したコンクリートの力学性能の不均一性を推定する数値方法を開発した。(5) 異なるコンクリートのブリーディング量と、ブリーディング量の測定時点における鉛直方向の密度測定結果によって計算した材料分離程度、水セメント比の変動係数との関係を定量的に考察し、ブリーディング量に基づいたコンクリートの鉛直方向の材料分離程度および水セメント比の不均一性の予測方法を開発した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proceeding of 7th Conference of International Structural Engineering and Construction Society (USA)
巻: 7 ページ: 印刷中
コンクリート工学年次論文集
巻: 35 ページ: 印刷中
日本建築学会構造系論文集
巻: Vol.77, No.679 ページ: 1357-1366
巻: 77 ページ: 1175-1184
巻: 34 ページ: 472-477
巻: 34 ページ: 1192-1197