研究概要 |
コンクリートの部材断面厚さを変えて作製した試験体を対象とし,各種物性値および劣化進行度の評価・分析を行い,以下の知見を得た。 1. 各種物性値の評価・分析 (1) 部材断面厚が増すと,ブリーディング量は増加傾向を示し,部材端部近傍においてその傾向は顕著となる。 (2) 部材断面厚が増すと,反発度は大きくなる傾向を示した。この結果は,当初の予想と異なり,部材断面厚の異なる試験体を測定対象としたことが問題であると考えられた。 2. 劣化進行度の評価・分析 (1) 部材断面厚が増すと,スケーリング量および中性化深さは増加傾向を示した。また,部材表層部は部材内部に比べてスケーリング量および中性化深さは増加傾向を示した。 (2) コンクリート表層部に形成される脆弱層の厚さは,部材断面厚によって異なるものと考えられ,コンクリートの耐久性は,部材断面厚によって差異を生じることが示唆された。
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