研究概要 |
コンクリートの水セメント比を平成22年度は55%としたが,平成23年度は65%とし,部材断面厚さを変えて作製した試験体を対象として,各種物性値および劣化進行度の評価・分析を行い,以下の知見を得た。 1.各種物性値の評価・分析 (1)ブリーディング量は、部材断面厚が増すと増加する傾向を示し,部材端部近傍においてその傾向は顕著となるが、水セメント比の差による大きな違いはみられなかった。 (2)細孔容積は、部材断面厚が増すと増加する傾向を示し、平均細孔径は小さくなる傾向を示した。 (3)反発度は、部材断面厚が増すと減少する傾向を示した。 (4)音速およびプルオフ強度は、部材断面厚による顕著な差はみられなかった。 (5)透気性は、部材断面厚が増すと増加する傾向を示した。 2.劣化進行度の評価・分析 (1)中性化深さおよび塩化物イオン浸透深さは、部材断面厚が増すと増加する傾向を示したが、スケーリング量は顕著な差がみられなかった。 (2)コンクリート表層部には脆弱層が形成され、その厚さは部材断面厚によって異なるものと考えられ,コンクリートの耐久性は,部材断面厚によって差異を生じることが示唆された。
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