研究課題/領域番号 |
22360254
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研究機関 | 芝浦工業大学 |
研究代表者 |
清水 郁郎 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (70424918)
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研究分担者 |
蟹澤 宏剛 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (00337685)
橋本 憲一郎 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (40361646)
内海 佐和子 昭和女子大学, 国際文化研究所, 研究員 (10398711)
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キーワード | 東南アジア大陸部 / ラオス人民民主共和国 / 低湿地社会 / 居住空間 / エコトーン |
研究概要 |
本研究は、東南アジア大陸部のラオス人民民主共和国(以下ラオス)において、その中央部平野に立地する低湿地社会で、エコトーン概念を手がかりにして、人びとが河川や水田、湖沼などの水環境や生態とかかわりながら住居や村落空間を組織している様態を、建築計画・意匠・構法・生産に加えて、文化人類学・民族学と民俗学の視点を援用しながら統合的に究明する。 研究2年目となった昨年度は、ヴィエンチャン県にあり、なおかつメコン河流域圏にあるタイーラオ語系民族集団ラオ、タイ・プワン、タイ・デーン、タイ・ダムなどが共住する一農村において、9月に3週間程度の悉皆的な現地調査を行った。そのさいには、居住空間の基礎的な把握をおこなうために、住居、屋敷、村落のすべてを実測調査した。また、各種空間の使用法、村落の設立経緯など、多様な項目に関して聞き取りを行った。また、居住空間を組織する生活財についても調査を行った。これらの調査資料を踏まえて、住居、屋敷村落それぞれの空間の特徴、住まい方、都市との関係性、血縁にもとづく集団化などを把握することができた。 また、3月には、今年度の主要な調査地となるルアン・ババーン県のタイ・ルー集団の農村で予備的調査をおこなった。そのさいには、伝統的住居の実測、生活財の把握、住まい方、空間の使用方法、村落空間の組織、生態環境の様態などを把握した。これらを下敷きとして、今年度雨季(8月)と乾季(3月)の2回、同村で悉皆的、集約的な調査をおこなう予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画は、おおむね達成されている。初年度に調査対象とした村落において、すでに居住空間の全体を把握しており、それらをエコトーンの概念にもとづいて位置づける段階に入っている。今後は、昨年度、今年度の研究成果とあわせて、当該地域の生態環境とからめた居住空間モデルを構築したい。
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今後の研究の推進方策 |
今年度中におこなう現地調査では、住居、村落それぞれにかんして交付申請書に記載した項目を集約的に調査する予定である。また、生態環境の利活用に関しては、GPSを活用して、研究初年度に対象にした村落における調査成果と同じ精度での把握を試みる。さらに、土地利用形態を把握するために、土地利用図を作成する。
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