研究課題/領域番号 |
22360269
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
鶴見 敬章 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (70188647)
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研究分担者 |
武田 博明 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (00324971)
保科 拓也 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (80509399)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 誘電体 / 分極 / 人工超格子 / キャパシター / セラミック |
研究概要 |
ナノ構造中で電子の移動範囲を局所的に制限すれば、伝導現象は分極現象となり、巨大な双極子モーメントによる超高誘電率が期待できる。本研究は、ナノ構造中の電子移動による超高誘電率発現を実証するためのモデル試料として、誘電体/導電体ハイブリット人工格子やスピノーダル分解した試料を作製し、その誘電応答を検討した。平成23-24年度は、電子の移動をイオンの長距離移動に置き換えることで、新たな誘電体材料ができうることを示ための研究を行った。リチウム・チタン・リン酸塩(LISICON)系固体リチウムイオン導電体を誘電体としてキャパシタを形成し、その静的な充放電特性を測定し、電気2重層キャパシタで通常報告されている比容量の20倍程度比容量が得られることが明らかとなったので、高周波誘電特性についての検討を行った。イオン長距離移動を分極現象として利用し、巨大誘電率を得るためには、電界によりイオンが移動し、定距離を移動したのち障害物によってその動きが止められなければならない。この時の電荷の偏りが分極現象となる。固体のイオン伝導体は焼結体であるため粒界が存在し、この粒界と電極界面が障害物となる。LISICON系焼結体の複素誘電率の周波数依存性を測定したところ、室温で1kHz-10MHz内に電極界面、粒界、粒内の4つの誘電緩和が存在することが明らかとなった。この現象をキャパシタとして応用するには、実用周波数である10Hz-数百kHzの外に誘電緩和を移動しなければならない。薄層化によりこれは可能であると考え、試料厚みを連続的に変化した試料で、複素誘電率を測定した、その結果、粒界に起因する誘電緩和は高周波側に移動することが明らかとなり、比誘電率が1万以上で周波数特性がフラットなキャパシタ材料を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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