研究課題/領域番号 |
22360275
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
平田 好洋 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (80145458)
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研究分担者 |
鮫島 宗一郎 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (00274861)
松永 直樹 鹿児島大学, 理工学研究科(工学系), 助教 (40405543)
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キーワード | セラミックス / 加圧ろ過 / 直流電場 / 交流電場 / 動的粘弾性 / 貯蔵弾性率 / 損失弾性率 |
研究概要 |
アルミナサスペンションの定圧ろ過プロセスに及ぼす直流及び交流電場の影響を調べた。ろ過中に直流電場を印加すると、粒子より液中のイオンが電極へ早く移動する。その結果、帯電粒子間の静電反発エネルギーが高くなり、ろ過圧の上昇が引き起こされることがわかった。一方、交流電場下では、粒子をとり囲む電気二重層内のイオンの周期的変動が起こる。その結果、静電引力エネルギーにより粒子の凝集が起こり、ろ過圧の低下が引き起こされることがわかった。 次に、pH、体積濃度が異なるアルミナサスペンションとこれを固化した加圧ろ過成形体の動的粘弾性特性を測定した。粘弾性体では負荷する応力と検出される歪みの間に位相差が生じる。この位相差により、貯蔵弾性率(E')、損失弾性率(E")および損失正接(E"/E'=tanδ)を算出した。本実験では-100℃~100℃でサスペンションの粘弾性粘弾性を測定した。10vol%アルミナサスペンションのE'は、氷の融解にともない0℃で大きく低下した。さらに、20-50℃付近にE'のピークが観察された。これはサスペンション中の粒子充填構造の変化を反映していると推察される。また、アルミナサスペンションの固体量を増加させるとアルミナ成形体の粘弾性特性に類似することがわかった。すなわち粒子間の溶液の固化、融解にともなうE'の変化はほとんど観察されなくなる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
アルミナサスペンションの加圧ろ過プロセスに及ぼす直流電場及び交流電場の影響を明らかにすることができた。また、アルミナサスペンションの粘弾性特性については-100℃~10℃の広い温度範囲で情報を収集できた。今後、その解析を進める。
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今後の研究の推進方策 |
(1)分散剤を含むアルミナサスペンション及び成形体の粘弾性特性の測定と解析をすすめる。 (2)作製した成形体の圧縮強度とガス透過性を測定する。 (3)二粒子系サスペンションの流動性と固化特性を調べる。
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