研究概要 |
(1)pH 3.0-9.0の10-30 vol%アルミナサスペンション(粒径200 nm)の粘度と加圧ろ過プロセスに及ぼす温度の影響を調査した。20-60 ℃でのコロイド粒子間の静電反発エネルギー(Er)をDLVO理論で計算したところ、温度効果は小さいことが分かった。理論から予想されたように、25-40 ℃でのサスペンションの見かけ粘度の温度変化は小さかった。よく分散したpH 3.0のサスペンションでは、温度の上昇に伴い低圧でろ過が進行した。等電点に近いサスペンションは温度上昇に伴い、ポーラスなケーキが生成した。しかしながら、仮焼後の密度はサスペンション温度に依存しないことが分かった。(2)メディアン径800 nmの炭化ケイ素に焼結助剤の200 nmアルミナ粒子と80 nmイットリア粒子を計4 mass%加えたサスペンションを作製した。これをろ過法で成形し、成形体を39 MPaの圧力下で焼結させた。焼結温度1400、1500、1700 ℃でのSiCの相対密度はそれぞれ61, 69, 75%で、1900 ℃では相対密度99.8%の緻密体が得られた。これらの多孔体において、N2, CO2, O2ガスの流束はある臨界圧以上において圧力に比例して増加した。ガスの透過係数をPoiseuilleの式に基づき計算した。計算値と実測値の透過係数αの桁は一致した。
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