研究課題/領域番号 |
22360279
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
香山 正憲 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 首席研究員 (60344157)
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研究分担者 |
前田 泰 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 主任研究員 (30357983)
橘田 晃宜 独立行政法人産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 研究員 (90586546)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 表面・界面物性 / 電子顕微鏡 / 走査プローブ顕微鏡 / 第一原理計算 / リチウムイオン電池 / 電極材料 / チタン酸リチウム / 電子線エネルギー損失分光 |
研究概要 |
高性能負極材料であるチタン酸リチウム(Li4Ti5O12, LTO)の平坦表面試料作成法を確立し、Li挿入/離脱における表面構造変化を走査プローブ顕微鏡(SPM)と電子顕微鏡で探り、電気化学ポテンシャル変化との相関から表面層形成の機構を検討してきた。 本年度は、第一に、Li吸収前と吸収相(Li7Ti5O12)の電顕による電子線エネルギー損失スペクトル(STEM-EELS)観察を行い、第一原理計算との比較を行った。当グループが開発に参画している第一原理計算プログラムQMASで酸素K-edgeスペクトルが良好に再現され、Li吸収相/未吸収相がEELSで明確に識別できることが判明した。 そこで、第二に、商用LTO二次粒子について、電池セルでのLi吸収過程のSTEM-EELS観察を行い、スペクトル分布から相分布を探った(spectral-imaging法)。その結果、二次粒子内Li吸収相伝播は、一次粒子間のparticle-by-particleで行われることが判明した。実際の電極材料で吸収相伝播の様子を明らかにしたのは初めてである。 また、第三に、LTO表面の原子配列の詳細観察を行った。Li吸収/離脱による表面構造変化やLTO/電解質界面の諸現象を解明するためである。STM観察とイオン散乱スペクトル(MEIS)から、(111)表面には二種のテラス構造が存在し、両方ともLi六方原子層が最上層であること、majorなLTO(111)表面は酸素原子層の上にLi原子層が積層し、酸素リッチで、表面酸素バンドに正孔を有する可能性があることが判明した。これはLTO/電解質界面でCO2が発生する現象の原因の可能性がある。 以上のように、LTOを対象に、電顕・SPM・第一原理計算の連携により、電極材料の表面・界面の微細構造・諸現象を解明し、この分野のフロンティアを切り拓いた。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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