研究課題/領域番号 |
22360281
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
落合 庄治郎 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 名誉教授 (30111925)
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研究分担者 |
奥田 浩司 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50214060)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 超伝導テープ / エックス線回折 / ひずみ / 応力 / クラック / 応力状態測定システム / 超伝導臨界電流 / モデル解析 |
研究概要 |
超伝導テープには、冷却時の構成材間の線膨張率差に起因する残留応力、超伝導磁石作製時にコイルに捲く際の曲げ応力、作動時の電流・磁場で誘起されるローレンツ力などさまざまな応力がかかる。応力が高くなると超伝導相に損傷が生じ、臨界電流・臨界温度・上部臨界磁場などの超伝導特性が低下する。そのため、超伝導複合テープを汎用工業材料として実用化するための特性および信頼性設計には、各要素の応力場における力学応答特性と、応力状態が超伝導特性や破壊特性に及ぼす影響を定量的に解明する必要があり、その手法の開発が要望されている。今年度は、X線異常分散を利用した構成各層の力学応答の非破壊評価手法の構築、および、変形・破壊挙動と超伝導特性の相関を記述できるモデリング・シミュレーション手法の開発を行った。 層識別X線回折法による超伝導層のひずみ測定研究では、SPring8のビームライン46XUに材料種別に応じた治具・部品を工夫して装着し、異常散乱を利用して層識別することで、コーテッド系・フィラメント系の両方を測定できるようにした。この手法をDyBCOコーテッドコンダクターに適用し、DyBCO層のひずみは初期段階ではテープ全体のひずみに対応して増加すること、さらに負荷ひずみを増加させると、DyBCO層は多重クラッキングによりほぼ一定値を示すこと、この現象は複合材の破壊研究で見出された多重破壊理論で説明できることを明らかにした。 変形・破壊挙動と超伝導特性の相関のモデリング・シミュレーション手法の開発研究では、引張負荷応力下のフィラメント型・コーテッド型の両コンダクターにおける集合クラックが臨界電流およびn値に及ぼす影響のモデル化し実証した。また、臨界電流の不可逆ひずみ分布関数の導出し検証した。さらに、引張変形と曲げ変形におけるn値と臨界電流の関係をモデル化して定量的に実験結果を再現した。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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