研究課題/領域番号 |
22360283
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研究機関 | 独立行政法人宇宙航空研究開発機構 |
研究代表者 |
八田 博志 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (90095638)
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研究分担者 |
芳仲 敏成 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発本部, 主任開発員 (40526266)
桃沢 愛 東京都市大学, 工学部, 講師 (70575597)
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キーワード | 宇宙往還機 / 再使用型 / 耐熱材料 / 参加試験 / 試験方法 |
研究概要 |
SiCには、SiOとCOが生成されて損耗するActive酸化と表面にSiO_2の保護膜が生成されて酸化が抑制されるPassive酸化とがある。これまでの多数の研究ではそれぞれの酸化速度や転移分圧が大きくばらついており、酸化の機構は明らかにはなってはいない。研究代表者らは数値計算と高温酸化実験により、それらを統一的に説明できる酸化の機構を明らかにしつつある。また、将来的に有望とされるZrB_2-SiCの酸化挙動についても評価した。 (1)Active酸化 サンプル表面近傍での酸素分圧が実験装置によって異なるが、これまでは、遠方で取得した酸素分圧で整理していたために結果がばらついたと考えた。サンプルの化学反応、実験装置の形状、サンプル近傍の気流速度、装置内部の温度分布を考慮して数値計算(ANSYS FLUENT)を実施した。尚、形状の大きく異なる東北大学金属材料研究所が所有する高感度自動電機天秤(Cahn R-100)と宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究本部が所有する示差熱天秤(TGD)をそれぞれ模擬した計算を実施した。高温酸化試験結果との比較により、試料表面での酸素濃度の装置依存性を示すことで研究者間の結果の不一致が説明できることがわかった。 (2)Passive酸化 SiCのPassive酸化を模擬する数値計算コードを開発しSiO_2の生成速度の計算を実施した。他の研究者との計算結果とほぼ一致する結果が得られたことから計算手法は習得できたと考える。現在は、それに基づいてPassive酸化モデルを構築中。また、試料表面の温度と圧力に基づく熱平衡計算による酸化反応形態の変化を求めた。 (3)ZrB_2-SiCの高温酸化試験を実施し、酸化速度を評価する手法を取得するための基礎データを取得した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Passive酸化の数値計算モデルの実験での検証が今年度にずれ込んだことはあるが、概ね予定通りと考える。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、まとめとしてプラズマ気流下での高温酸化試験を実施し、Active酸化およびPassive酸化モデルの検証を試みる。
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