研究課題/領域番号 |
22360286
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
雨澤 浩史 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90263136)
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研究分担者 |
井口 史匡 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00361113)
川田 達也 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (10271983)
宇根本 篤 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (10551525)
橋本 真一 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60598473)
八代 圭司 東北大学, 多元物質科学研究所, 講師 (20323107)
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研究期間 (年度) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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キーワード | 高温電気化学 / その場計測 / ポテンシャル分布 / 燃料電池 / X線吸収分光 |
研究概要 |
本研究では,固体酸化物形燃料電池(SOFC)に代表される高温電気化学デバイスにおける反応元素の化学ポテンシャル分布・変化を,高温,ガス雰囲気制御,通電下というデバイス作動条件下において,実験的に明らかにすることを目的とする. 本年度は,前年度までに引き続いてX線吸収分光法を用い,これに電気化学的手法を併用することで,デバイス内の化学ポテンシャル分布のより詳細な理解を試みた.SOFC空気極を想定し,Ce0.9Gd0.1O1.95上に作製したLa0.6Sr0.4CoO3-d(LSC,x=0.4,y=0, 0.8)多孔質電極あるいは薄膜電極を測定対象とし,酸素ポテンシャル分布のその場測定を行った.特に,間接的手法ではあるがより簡便な交流インピーダンス測定と多孔質電極を模擬した伝送線モデルを用いた解析により得られる結果との比較を行った.その結果,上記電解質/電極系での有効反応場を特定することに成功した. また,このようなポテンシャル分布が実デバイスに及ぼす影響について,SOFC空気極の長期安定性を例に検討した.La1-xSrxCo1-yFeyO3-d(LSCF,x=0.4,y=0, 0.8)の多孔質電極をモデル材料とし,これを電圧印可状態に曝すことにより,同材料の熱力学的・速度論的安定性を調べた.前年度までの緻密焼結体を用いた結果では,同材料を酸素ポテンシャル勾配下におくと,Co,Sr等の速度論的分解が生じることが予測された.しかし,多孔質電極の場合,電圧印可に伴い,電解質/電極近傍に急峻な酸素ポテンシャル勾配が発生するにも関わらず, LSCFの顕著な分解は観測されないことが分かった.このことは,緻密焼結体で見られた速度論的分解を引き起こすカチオン拡散が粒界において生じており,粒界に大きな酸素ポテンシャル差が生じない多孔体の場合には速度論的分解は大きな問題とならない可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
理由
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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