研究概要 |
(VI)インテリジェント(型)鍛造法による人工股関節プロトタイプの試作 (VI-1)鍛造シミュレーション 人工股関節ステムと骨頭のプロトタイプを熱間型鍛造法により製造する工程設計を鍛造シミュレーション(FEM解析)により行った。シミュレーション結果をIVで作成するProcessing mapより意味づけし、ステム全体に微細結晶粒が形成される鍛造加工条件の最適化を行った。 (VI-2)試作 最適化された加工条件での熱間型鍛造(半密閉型鍛造)加工を、300トン油圧サーボプレス機を用いて行った。これらの曲げ治具・金型の設計には3D-CAD(solid works)を用いて行った。鍛造シミュレーションにより金型の設定温度における面圧、温度分布を見積もり、最適金型の材質・形状を決定した。作製したプロトタイプの任意断面の組織をX線回折,EBSDなどで解析した.また,力学特性の評価として,硬さ測定を行った.さらにミニュチュア引っ張り試験片を採取して、引っ張り特性を評価した.以上の評価結果をVI-1の工程設計にフィードバックさせることによりインテリジェント鍛造の方法論の確立に資する知見を得るよう試みた。 (VII)SFEと塑性変形挙動の結晶塑性学的調査: 単結晶を用いた塑性変形挙動の解明 加工硬化また,ひずみ誘起マルテンサイトはSFEの値が高いCo基合金(II)、(I)において消失し,代わって変形双晶が主に起こり、塑性変形挙動、加工硬化性に影響を及ぼすことをこれまでの研究により明らかにしている.そこで、各種Co基合金の単結晶試料を作製して,ひずみ誘起マルテンサイト変態、変形双晶形成の結晶方位依存性、SFE依存性について室温から1200℃の温度領域において圧縮試験、EBSD,TEM観察により調べた。これにより各種Co基合金の塑性変形挙動を転位機構に基づいて考察した。
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