研究概要 |
本研究では半導体材料として利用可能なアモルファス炭素の開発を目的として金属ドーピングした薄膜を合成するとともにアニーリング処理を施し,構造分析及び特性評価を行った.合成方法には主にマイクロパルス電源を用いたスパッタ法を用いた.フェルミレベルやバンドギャップを制御するためドーパントとして15族元素のアンチモンと窒素,13族元素のボロンを用いた.さらに合成した薄膜をアルゴン,窒素,水素等の雰囲気下でアニール処理することで,欠陥密度の低減と導電性の向上を試みた.その結果,900℃で水素プラズマ雰囲気下でアニールすることにより,ESRで1.0×10^16[cm-3]程度の低欠陥密度を示し,10^4[Ω・cm]の抵抗率のアモルファス炭素膜を合成することが出来た.最後に,アモルファス炭素のみからなる発電素子を作製し,変換効率は極めて低いが,Voc=20~49.0mV,Isc=0.01uAの発電特性を示すことを明らかにした.
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