研究課題
本研究は、高温に加熱されている物体内部の3次元温度プロファイルを計測・モニタリングするための新しい超音波手法(超音波サーモメトリ)を創製・実用化するとともに、この手法を高温場の材料加工プロセスに適用し、その有効性を実証することを目的とするもので、当該年度は次の二項目を実施した。(1)解析モデルの構築と解析手法の検討物体中の超音波速度を指標とした2次元温度プロファイル同定の逆問題モデルを構築し、その解の一意性および安定性を詳細に調べ、適切な解を得るための最適化手法について検討した。具体的には、片側加熱された不均一温度分布を有する材料を想定し、これに縦波、横波、および表面波を種々の方向に伝搬させたときのパルスエコー信号を指標とした温度プロファイル同定の逆問題モデルを設定し、精度と演算時間の観点から効果的な解析法を開発した。(2)非接触超音波2次元スキャニングシステムの構築加熱材料の超音波計測を実現するには非接触超音波計測手法の使用が効果的である。この点を考慮し、レーザー超音波パルスの2次元スキャニングを用いた材料表面の2次元温度分布計測システムを構築した。さらに、空気超音波の利用も想定し、その2次元ピッチキャッチ計測システムを構築した。これらのシステムを用いた加熱材料の超音波パルス計測に関する実験を行い、その有効性を検証した。
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