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2011 年度 実績報告書

摩擦を利用した金属板材の金型フリー加工法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 22360309
研究機関福井大学

研究代表者

大津 雅亮  福井大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20304032)

研究分担者 吉村 英徳  香川大学, 工学部, 准教授 (30314412)
キーワード材料加工・処理 / 機械工作・生産工学 / 高速プロトタイピング / アルミニウム合金板
研究概要

本年度は摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング専用加工機の開発,成形条件と成形精度の関係調査,成形中の温度分布・ひずみ分布に関するシミュレーションをおこなった.
(1)加工機の開発
自動XYステージとボール盤を組合わせ,加工機を製作した.構造的にはまだ不十分なところがあり,剛性が低いため,次年度に改良を行う必要がある.
(2)成形条件と成形精度の関係
A5052アルミニウム合金板を行う際に,新たな加工条件として工具送り方向と工具回転方向の関係を入替えることにより,加工部の工具と板材の相対速度を変化させた.その結果,見かけの工具送り速度と工具回転数で整理するのではなく,工具と板材の相対速度が直接的に成形性に影響を及していることが確認された.また,成形限界が大きくなる条件では成形精度も相関して良くなることが確認された.
(3)成形中の温度分布・ひずみ分布のシミュレーション
商用の塑性加工専用有限要素解析ソフトSimufact.formingを用いてA5052アルミニウム合金板を加工するシミュレーションを行った.計算結果の信頼性を確認するため計算と同条件で実験を行った-計算結果と実験結果では定性的に一致したが,温度は絶対値が計算値の方が高くなった.しかし,急激に温度が変化する加工部の温度は実験では求めることが難しく,特にその最大値を求めることは難しい.計算では非常に短時間の最大温度まで求めることができ,計算の有用性が確認された.また,すくライブ土サークル方を用いて板材のひずみ分布を求めた.通常のインクリメンタル成形と同様にサイン則が成立しており,計算結果と実験結果は一致した.また,試験片断面の形状と計算により求めた形状もよく一致した.これらの結果から,シミュレーションはよく加工現象を再現できていると考えられる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

加工機の開発は行ったがまだ改良の余地があり少し遅れているが,成形条件と成形精度の関係はほぼ予定通に進捗しており,シミュレーションは実験との比較もできており計画異常に進展しているため.

今後の研究の推進方策

加工機の改良を行い,さらに厳しい条件でも加工が可能なようにする必要がある.またシミュレーションもまだ定性的には一致しているが定量的には十分に一致していないところもあり改良が必要である.板材内部のいろいろな応力やひずみ,温度などの分布の分析も進める必要がある.

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング法の開発2011

    • 著者名/発表者名
      大津雅亮
    • 雑誌名

      塑性と加工

      巻: 52 ページ: 490-494

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング法によるAZ系マグネシウム合金板の成形性と加工部の機械的特性-摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング法の開発第2報-2011

    • 著者名/発表者名
      大津雅亮
    • 雑誌名

      塑性と加工

      巻: 52 ページ: 705-709

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング法によるA5052板の成形-摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング法の開発第3報-2011

    • 著者名/発表者名
      大津雅亮
    • 雑誌名

      塑性と加工

      巻: 52 ページ: 710-714

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Improvement of Formability of Magnesium Alloy Sheets by Friction Stir Incremental Forming2011

    • 著者名/発表者名
      M.Otsu
    • 雑誌名

      Steel Research International

      巻: Special Edition ページ: 537-541

    • 査読あり
  • [学会発表] 摩擦撹拌インクリメンタルフォーミングにおける工具回転方向が成形性に及ぼす影響2012

    • 著者名/発表者名
      大津雅亮
    • 学会等名
      日本塑性加工学会第21回北陸支部期講演会
    • 発表場所
      福井大学
    • 年月日
      2012-03-08
  • [学会発表] 摩擦撹拌インクリメンタルフォーミングで成形した板材のひずみ分布の測定2012

    • 著者名/発表者名
      大津雅亮
    • 学会等名
      日本塑性加工学会第21回北陸支部期講演会
    • 発表場所
      福井大学
    • 年月日
      2012-03-08
  • [学会発表] 摩擦撹拌インクリメンタルフォーミングのFEモデルの検討2012

    • 著者名/発表者名
      大津雅亮
    • 学会等名
      日本塑性加工学会第21回北陸支部期講演会
    • 発表場所
      福井大学
    • 年月日
      2012-03-08
  • [学会発表] 摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング法の開発-第3報-A2017板の成形2011

    • 著者名/発表者名
      大津雅亮
    • 学会等名
      塑性加工連合講演会
    • 発表場所
      ホテル日航豊橋
    • 年月日
      2011-10-27
  • [学会発表] 摩擦撹拌インクリメンタルフォーミング法によるA2017板の成形2011

    • 著者名/発表者名
      大津雅亮
    • 学会等名
      日本機械学会2011年度年次大会
    • 発表場所
      東京工業大学
    • 年月日
      2011-09-14

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公開日: 2013-06-26  

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