本研究では、3次元溶湯浸透法(3DPC)を応用し、超伝導物質MgB2の新規な複合ビレット製造法により、臨界温度が高く安定した極軽量な超伝導線の製造を試みた。試料作製では、3DPCによりMgB2粒子とAl、Mg、Znおよびこれらの合金との複合ビレットを作製し、その臨界温度と臨界電流密度を詳細に調査し、ほぼ全ての複合ビレットの試料は、25Kから39Kの温度範囲で超伝導転移を示した。また、MgをベースとしAlとZnを添加した母材と複合したビレット試料において、臨界電流密度が向上することを見出した。線材加工では、Alを母材とした複合ビレットで線径1.0mmの超伝導線材の押出に成功した。
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