研究課題/領域番号 |
22360321
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
須藤 雅夫 静岡大学, 工学部, 教授 (80154615)
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研究分担者 |
福原 長寿 静岡大学, 工学部, 教授 (30199260)
岡野 泰則 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (90204007)
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キーワード | アニオン伝導膜 / 燃料電池 / プラズマ重合 / ピリジニウム基 / アニオン・アオノマー / メタノール燃料電池 |
研究概要 |
基礎測定として、各種の多孔質支持体をベースにアニオン伝導層をプラズマ処理で重合した結果を比較する。アニオン膜の膜伝導度および輸送特性をまず解析する。特に支持体に注目し、PVdF-HFPポリマーをキャスト法で製膜し多孔性フィルムを作製し、これをベースにアニオン膜を作成し評価する。また同時に燃料電池システムでの発電性能を試験した。 重合時間を変化させて作製したプラズマ重合膜を用いたMEAの直接メタノール燃料電池実験のI-V曲線および出力曲線の結果から、開回路電圧は片面10minプラズマ重合処理を施した膜が0.93Vを示し、その後低下した。これは、重合時間が片面10minまでは、生成した重合物によりメタノール透過性が低下し、開回路電圧が増大するが、それ以上では、プラズマの影響で基材が劣化し、酸素がリークしてしまうためではないかと考えられる。一方、重合時間を延長するに伴い、最大電流密度は増大した。これは、重合時間を延長したことにより膜の表面にも重合物が形成し、膜と電極の界面の接着性が向上し、三相界面が増大するためであると考えられる。 FT-IR測定の結果から、4-VPとHFPが重合していることを確認した。また、重合時間の延長により、ピリジン環が開裂し、重合物が劣化することが明らかとなった。 熱重量分析の結果から、作製したプラズマ重合膜は120℃までの耐熱性を有していることが明らかとなった。発電実験の結果から、重合時間の延長に伴い、最大出力密度が増大した。これは、膜表面の重合物が増大したことにより、電極との接着性が高まり三相界面が増大するためであると考えられる。また、片面30minプラズマ処理を施した膜が、最大出力密度44.0mW/cm^2を示した。
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