新規な膜分離技術を創生し、次世代のエネルギー・化学産業におけるプロセスの一層のグリーン化に貢献することを目指し、結晶性ミクロ多孔体を材料とする無機分離膜の開発のための基盤研究を行った。水、有機物等の混合物の分離の実現を目指し、膜の生成機構と製膜の過程を詳しく明らかにするとともに、透過分離性能の支配因子を抽出し透過分離機構の解明を試みた。 Y 型ゼオライト膜については、膜の生成機構を詳細に解析し、イソプロピルアルコールの脱水用膜として高い性能を発揮する膜の合成に成功した。Silicalite-1 膜については、高い分子ふるい性能を発揮する膜の開発に成功し、その透過挙動の定式化に成功した。また、新規にアルミノリン酸系の膜についても検討し、水/酢酸系の蒸気透過分離に高い性能を示す膜の開発に成功した。
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